明徳学園より西に位置する大成高校では、三限目の物理の授業中、窓側の席の静香は心地よい日差しを浴びながら机に教科書を立てて隠れて伏せて寝ていた。
そんな大成高校の一年のクラスの窓をコツン……コツンと寝ている静香めがけて小石が投げられていて、
「…?」
静香の真後ろの席の早乙女は、真面目に黒板の文字をノートに写していると、その小石に気づき窓の外に目をやると、
「!!?」
ここにいるはずのないその存在に驚き、目を大きく見開いて確かめた。
(やっほー!!)
そこには小声でルリちゃん人形をかがげて大きく手をぶんぶんと振る満面の笑みの未茉がいて、
「しっ・・・静香!!静香!!」
驚きながらも早乙女は先生にばれないように小声で前の座席で寝てる静香の体を揺らしながら起こすも、
「なぁーん~~~♡?うちはぁ~~そんな手軽な女ちゃうわぁ~~♡♡うふんはあん~~~」
意味不明な夢を見て寝言をもらす静香に絶句するも、
「静香!!起きてっ!!白石さんが来てる!!」
「ふがっ・・・」
叩き起こされようやく現実世界に静香が帰ってくると、
「なんや早乙女・・せっかく人がええ夢を見て」
「いいから!!外見て!!外!!」
「外やてぇ~~?」
渋々窓の外に目をやると、そこには花壇に隠れながらもニッ♪と微笑む未茉がいた。