「みんなに頼みがあるんだっ!!!文化祭の準備、放課後でも朝でもいいから手伝ってくんねー!?」

「「「……!!」」」
ザワッ……と思いもよらぬお願いにクラスメイトも驚いている。

「翔真とキタローだけじゃ間に合わなそうだから、みんなの力を借りたいんだっ!!ダメかな!?」

「「……」」
「あたしももちろん手伝うし、頑張るから!!お願いっ!!!」
「「……」」
「頼むっ!!!」
ゴンッ!と音を立てて教壇に頭をくっつけて頼み込む未茉に、新米も驚いていると、
「どっ…どうした白石っ…俺が休んでる間になんかあっ…」


「えー。ダルイなぁー。」

まずそう第一声、気だるそうな声の椎名さんが髪を指でくるくると弄りながら答えると、
「ほんとー。朝は寝たいし、放課後は遊びたいしねー。」
女子達が続いて面倒くさそうな顔して言うも、

「でも。湊君が困ってるのかー。」

椎名さんが肘をつきながら仕方なさそうに尋ねると、
「じゃ、仕方ないかー。」
「まーね。」
女子達はなんだかんだ賛同してくれるようだ。

「ぅえっ!?マジ!!?」
思いがけない返事に驚くと、
「白石さんの為じゃなく湊君の為よ。」
「そーそー。国体控えてるのにかわいそーだし。」

「わぁーいっ!!!ありがとぉ!!!」
ぱぁぁあっと世界に光がさしたように未茉は明るい笑顔で感謝を向けると、
「まー、湊君の為だよねー。」
「そーそー。イケメンが困ってるならねー。」

「・・・・お前らなぁ。」
と女子の言い草に未茉はずっこけるも、
「男子も!!頼むよ!!」
すかさず男子にも頭を下げてお願いする。
「キタローは勘違いされやすいかもしれないけど、本当はすげーいい奴だから!!頼む!!手伝ってくれ!!!」

未茉の懸命な願いに複雑な表情を顔を見合せる男子達。