「朝練の時間になっても、‘北はマネージャー業に行ってよ。未茉ちゃんもお腹空かせてるだろうし、俺がその間やっとくから。’って。俺よりも朝早く来てずっと準備してくれてたんだ。今日も。」
‘ようやく涼しくなったから寝ちゃって’
「なんて言ってたくせに……あの野郎!!!カッコつけやがって!!!!」
なぜだか怒りが沸々と沸いてくると、
「白石は病院行ってるから知らないかもしれないけど、部活終わった後もずっと俺と残ってくれてた。」
「いい奴ぶりやがって!!!!」
鼻息を荒くして片足を床に叩きつけてると、
「いや、いい奴だから。」
と呆れた顔で三上は未茉に冷静な突っ込みを入れる。
「分かってるよっ!!!」
キィッ!!と鋭い目付きで未茉が睨み飛ばすと、
「なんなんだよ~~~お前は・・・キレるとマジめんどくせーな・・・」
手が焼ける未茉を結城が覗きこむと、
「白石…!?」
物凄い形相で目にうっすら涙を浮かべていた。
「そういう奴だって分かってんのに…あたしお前とは違うんだって酷いこと言っちゃったじゃんよっ!!!!うぁぁぁあーーーん!!!」
一気に苛立ちがわめき声に変わり大声で泣き出すも、ハッと気づき、
「っーか!なんで男子達は手伝ってくれないの!?」
「それは俺がいけないんだ。」
「キタローが!?なんで!?」
「あーー……実はな、白石……」
たまらず経緯を話そうとする結城に、
「やめろ。」
キタローが首を振ったのを見て、その口を閉ざした。



