一人遅れて浴室から出て歌いながら廊下をスキップしてると、遠くなのに羊頭の大きなシルエットが一人歩いてる姿が見えて、

「あっ!!おーいっ!翔真ぁあーーっ!!」

大声で呼び未茉は両手で手を振りながら駆け足でその大きなの背中めがけて勢いよくジャンプする。

「わっ!!!」
「あははっ!!みっーけっ!!」

ボーっと歩いていたのに急に押されてびっくりしながら振り向くと風呂上がりで頭にタオルを巻いた未茉が笑ってた。

「ねっ、ドライヤー貸して!」
「風呂場になかったの?」
「あったけど、脱衣場扇風機ねぇーし、暑くて余計汗かくからさー」
部屋でエアコンをガンガン効かせて冷たい水を飲みながら乾かすのが最高だと言う未茉理論。


「へぇー男部屋も全然女部屋と中は変わらねぇーんだな。」

部屋に入ると中は全く女子の部屋と同じで、あっちこっちの扉という扉を片っ端から開けて見て回るも代わり映えのない部屋につまんなそうな未茉だった。

「あったよ。ドライヤー」
「あ、さんきゅー!」
バッグの中からドライヤーを出して翔真はエアコンを強風にスイッチを入れた。

「ここで乾かしていきなよ。」

サブキャプテンのマイクはミーティングに出てる為、そう誘うと
「おーわりぃな。」
「全っ然!」
にこっと微笑む笑顔の裏側で下心に火がついてるとも知らずに未茉は呑気にスプリングベッドの上で跳ねてあぐらをかきながら髪を乾かし始めた。