「未茉、なかなか顔の傷よくならないな。」
外の病院の談話スペースに匠と二人並んで腰かけた。
「んぁ?女の顔に傷の一つや二つなくてどーすんだよ!」
「・・・無くていいと思う。」
匠にスパッと否定された。
「活発なのはいいけど、喧嘩なんか二度とするな?」
「売られた喧嘩は買うっ!!」
ふんっ!と鼻息を荒くして意気込むと、
「大事に至らなかったからよかったものの、喧嘩して停学になって試合出場停止にでもなったらどうするんだ?」
「うっ・・それは」
「一番怖いのは怪我だぞ。いくら手足守ったって目や首、背中、腰だってやられたら選手生命にも影響あるぞ?すぐ痛まなくても後々痛む場合だってあるんだからな。」
「ストップ!!分かった!!分かった分かった!!!」
真面目な匠のお小言はたくさんだと言わんばかりに耳を塞ぐと、
「お前が何かやらかせば清二さんの監督生命や、日本代表に選ばれてる颯希さんにだって影響が…」
「分かった。」
だが兄貴の名前を出した途端に一気に不機嫌になった未茉に
「あ…ごめ」
「でもパパはよくやったっ!!って褒めてくれたもんっ!!」
「え・・・」
「やられたらやりかえす!うちの信念だってなっ!!」
「清二さん・・・未茉に似てマイペースだからな・・。」
「それよりっ!なんで匠兄までここに?!」
話を元に戻し未茉は尋ねると、
「ん…」
少し言いずらそうに、どう切りだそうかと考えているような仕草の後、間を置いて話始めた。
「実はこの前の大成での練習試合の直後に、健の腕がまた痛みだしてさ。」
「えっ!?」
「まぁ無理して試合に出たり、ガチで湊とやりあったりしてたからしょーがないのかもしれないけど、和希の見舞いに病院に来てすぐにうずくまって、冷や汗流すくらい痛みだして…」
「えっ!!?そんなに!!?」
思っても見なかった状況に未茉は立ち上がって大声をあげた。



