「あ、嵐だ。」
福岡代表のページで手が止まった。
「すげよーなぁ。嵐兄ちゃん。単独特集10ページもされて。マジ日本一いや、そのうち世界プレーヤーだぜ。」
「ほんとだ。」
「噂によるとNBAの下部組織からもう声かけられてるらしいぜ!?高校っーよりバスケ界全体で嵐兄ちゃんは扱いが別格だよ。」
「ふーーん。」
嵐のページをパラパラ捲りながら未茉は面白くなさそうな顔をした。
「ちっせー頃はあたしの足元にも及ばなかったのに差がついちまったなぁ………」
‘お前は今バスケを見てるか?’
‘四六時中バスケのことばっか考えていたお前はいないんだな。’
嵐に言われた言葉がよみがえってきて、
「姉ちゃん…?」
悔しそうな表情を滲ませながら差がついてしまったことと、自分の成長不足に苛立っていたのが分かったが、
「うぉおおおおおっ!!!!」
数秒程、落ち込んだ後、急に立ち上がり雑誌をビリッ!!と破り、
「うぁあっ!!俺の月バスっがぁぁああ!!!」
ーーーダンッ!!!
椅子に乗りベッドの机に片足を叩き乗っけて拳を握りしめて、
「練習してやるんだぁあっ!!!んでぜってぇーーもっかい嵐を抜かしてやるっ!!んでNBAに行ってやるぜぇっ!!!!」
メラメラッと熱い闘志に満ち溢れながらポーズをつけて気合いを入れ、
「よぉしっ!!!こうしちゃいらんねーっ!!!練習だぁぁぁあああっ!!!」
打倒嵐っ!!!!
と大声で言い放ち雑誌を更にビリビリに破り捨て病室を出ていく姉に、
「あぁぁぁあっ!!俺の月バスがぁぁあっ!!まだあんま読んでねーのにっ!!!姉ちゃんのバカやろぉぉおっ!!!」
弟の声がこだましたのであった・・・。



