「ほら見てみぃ!悪女未茉の正体を…!!」
いひひひっと笑いをこらえながら翔真の反応を楽しむかのように朝の電車で早乙女に寄りかかってうたた寝する姿と、健と抱き合う姿を写メで見せてくる静香に、
「静香・・・お前はまたそんなくだらないことけしかけて・・・」
「ええねん!うちを差し置いて未茉だけ幸せになろっちゅーのは甘いねんっ!!!」
「何めちゃくちゃ言って・・」
性格の歪みをマイクに失笑されながら静香はみんなの元へ戻ろうとすると、
「翔真!悔しかったら未茉の迷う隙を与えないくらい惚れさせてみるんやな!そやないと、いつまでたっても永遠にこのままやで!」
捨て台詞のような意地悪を堂々と言い放っている静香のように見えたがどこか忠告しているように翔真には聞こえた。
「だってよ。」
隣にいたマイクまでもが、その静香の不器用さに気づきふとため息と笑顔が溢れるも、
「ま、俺だったら間違いなく前園を選ぶけどな。」
女の子は知性、品性優先のマイクに遠回しに好みをあっさりと全否定されて、
「・・・。」
苦笑いを浮かべる翔真の元へ、
「湊、本当は自信なかったり?」
黙って聞いていた早乙女が口を開いたので翔真は振り返った。
「夏に白石さんから湊のこと好きって僕、聞いてたんだよ。」



