「ねぇ白石。あんた時間ある時、大成来て練習交じれない?」
男女共に千葉代表には勝利したものの、今日のデキの悪さと国体までの時間のなさに迎え撃つ愛知に向けて負ける気などさらさらない田島は未茉を誘った。
「いいのっ!?わぁーいっ!!」
駅までの帰り道、未茉は両手をあげながら喜ぶ。
「今日のゲームを踏まえて愛知に勝つ為に修正しないとね。凄いね。何気に石井さんリバウンド13取ってる。」
スコアブックを見ながら莉穂が静香と比較をしながら石井を褒めていると、
「うちは本番に強いタイプなんや。今日は本調子じゃあらへん!」
「未茉。和希んとこ行くだろ?」
後ろからやって来た健にそう呼び止められ振り返る。
「うん。行くよー!」
「じゃ行こーぜ。匠も行くっーから。」
匠を連れた健が誘うと、莉穂もつられ、
「私も行こっかな。和希君に会いたいし。」
「おー、和希は莉穂大好きだから喜ぶぜ。」
「なんや。しゃーないなぁ。うちも行かな雰囲気はぁ~。和希は昔からうちにほの字やったしなぁ~~。」
やれやれと仕方ないようなため息つく静香に、
「おー、和希は静香苦手だから喜ばねぇぜ。」
「なんやて!?未茉ぁぁあっ」
わいわいと騒ぎながら駅に到着する未茉達面々を翔真とマイク、大成組は遅れて着いてくも、翔真の視線は一人傍観するように後ろから見つめ、近いはずの距離を今日はなぜか遠く、重い足取りで歩いていた。
「お前はあっち行かないのか?」
逆方向のホームへ向かうマイクが尋ねると
「行かないです。」
いつもと変わらない表情だがどこか暗い表情をする翔真を見ていると、
「湊湊っ!」
気づいた静香が翔真の元へやって来て、
「静香ちゃん。」
「湊にええもん見せてやるわ~。」
にひひっと悪どい笑みを浮かべてスマホを取り出す静香に
(絶対いいものじゃない・・・!)
と察しのつく翔真。



