体育館へ戻った未茉は、莉穂と肩を並べてコートの端に座って東京代表と千葉代表男子の試合を見ていた。
せっかくなので両チームの一年を試そうという監督同士の思案で、王子と大成の一年に翔真が混じってプレーをしている。
「“翔真をちょうだい?”って?すごいね。ドラマみたいなセリフじゃない?それでどうしたの?あげちゃった?」
「おまっ・・菓子あげるみたいな言い方すんなよな!!」
「ふふっ。で?どうしたの?」
「甘えたこと言ってんじゃねーっ!って横面ひっぱたたいてやったよ。」
「さすが未茉・・・」
少し気の毒に思った前園に莉穂は苦笑いをした。
「でもさー、ユリのあんな思い詰めたような顔見て思ったんだけどさー、」
「どんな顔?」
「んー?こう翔真がいなきゃ生きてけねぇー助けてくれぇーっみたいな。」
「……」
「あたし翔真のこと好きだけどあんな風には思えねーっーか。」
「いやいやそれは……」
「確かに想いの深さがちげぇなと思った。あれが恋っーならあたし翔真のこと言う程、好きじゃねーのかな。」
「分かる。私もそこまで駿のこと好きじゃないと思う。」
「!!」
「「……ざわっ。」」
ちょうどタイムアウトを取っていた男子達はその声が耳に入り驚き彼女達に視線を送った。