「……白石…」
ディフェンスをしっかり押さえる未茉を見ながら、沸き上がる彼女への歓声に田島の闘争心に火がついた。

「敵は千葉じゃねーな。」

フッと口先で笑いをこらえたようにポツリと溢した田島は、
「東京ナンバーワンも関東ナンバーワンも渡すか!!!」

キュッ……ーーー!!!
そんな熱い思いから叫ぶように放つプルバックでマークマンを惑わし、リングに放り込む。
「「ナイシュー!!田島さん!!」」
戻りながら未茉がタッチすると、

「関東でのライバルはやっぱりお前だな。」

田島はそう笑うと未茉は一瞬目をぱちくりさせるもフッと笑い、

「まぁ、今年の冬でそれは終わりでしょーけど。」

「なんだとコラ。」

ゴールを見ながら走り出す東京のエース二人の雰囲気の良さにベンチの神崎は、
「よっし!!行けるぞ!!!ディフェンスしっかりっ!!!」
嬉しそうに手を叩きながら笑顔を見せ、

「ライバルが互いを高め合うなんて理想だな。」

一気に攻撃リズムを作り出す二人を眩しそうに見つめながら頷いた。

「…………」

ついこの間まで桜蘭で自分に向けられていた期待の視線を眩しそうに見つめるのは、自分のライバルであった二人に向けられていたユリはなんとも言えない気持ちになった。