TIPOFF!! #LOVE AUTUMN





そして後半に入るも千葉の猛攻は止まらなかった。入れてもまた入れられる。点差は思うように縮まらず以前と千葉にリードを許したままだ。


「つぇーな…千葉…」
「ああ。田島と石井と白石がいてこんなに押されるとは…」
激しくコートを行き来する両チームにギャラリーも息を飲む互角の展開だった。

ーーパスッ…
ネットがボールを通過したのが見えないくらいの早さの3Pが連続で二本決められる。
「「わぉぉっ!!マジか…千葉の3Pまた決まったぜ!!!」」
東京の驚異のインサイドを封じ込めようとアウトサイドからの3P攻撃に
「リバウンドがとれへんやん…」
静香と石井はなすすべもない。

「こんなに決まるとは計算外だな…。」

前半からの流れの悪さに千葉は得意のアウトサイドからの攻撃に戦術を変えてきて見事ハマってる千葉を見たマイクはため息つく。

「いや、まだまだですよ。」

何かを感じたように翔真は首を振り、信じたように未茉を見つめた。


「もう打たせないぜ。」

ニッと微笑む未茉が一瞬の隙をつきボールを持つ、千葉の選手の後ろからボールをスティールをし、
「「なっ…!!」」
ダムッ!!!
速攻ドライブで敵陣内へとキュッ…と床を滑らせゴールへとまっしぐらに走る未茉は、
「行かせない!!!」
必死に戻ってすぐ後ろからやってくる千葉のセンターにも臆することなく、一瞬でコースを変え、スピードクロスオーバーで空中へ飛ぶ。

「「いけぇっ!!!」」

願いを託したように静香達が叫ぶと放ったボールは真っ直ぐにネットを潜り抜け、
「「よっしっ!!!」」
点が入りすぐに相手陣内へと戻った。


「やっぱり白石すげぇな……」

勢いに乗ろうとする千葉の流れをここぞというとこで確実に魅せるプレーで止めてくる。

「ちいせぇくせに平気で中で勝負すんだよな。」
「ああ。あの局面で普通なら一回落ち着かせてパスを選択するのにな。」
東京男子達の言葉に健は笑った。

「ちいせぇ頃からゴール下の何十人何百人の男を振り抜いてきたと思ってんだよ。」