(この試合は勝つことはできるだろうが…名古屋にこれだとまず厳しいな。)
攻撃面でかなりの課題がある神崎は唇を噛んだ。
(女子の場合は特に高さも大事だが、結局は走って全員で点をとらなくてはならない。白石と田島の1対1の局面での強さも大事だが、しっかりとスクリーンで静香と石井で押さえて、二人からの前園の最大の武器であるジャンプ力を活かしたポスト前のダイブは、東京の大きな攻撃バリエーションのひとつになる。)
ベンチの一番隅で座るユリへ、もどかしい視線を後ろめたく落とした。
ーーーシュッ…
2Qに入ってすぐに千葉の鮮やかな3Pシュートを皮切りに、
「「よしっ!!!」」
すぐさま東京も田島からの高さあるパスに石井が反応しシュートを返すも、千葉が立て続けに色んな選手が3Pシュートを決めてくる。
「千葉、3Pよく決まるな…」
思わず健が感心してしまう程、今日の千葉の3Pのシュート率が良すぎた。
どんなに有能なプロ選手でも3Pはよくても成功率50%未満だが、のりにのってきたのか千葉は10本中、3本しか外さなかった。
「2Qで差をつけられたな…」
26対12のスコアを見た田島はボールを運びながらそろそろ本気スイッチを入れなくてはならない状況に呟くと、
「関東の王者千葉を舐めないで下さいよ。先輩。」
小さいながらに後ろに下がりながら腰を落としぴったり田島に着きながら嘲笑う菅原。
…ダムダム…
(石井さんを使ってインサイドに入り込むのか、白石を使ってアウトサイドから…いや、インサイドから攻め込むのか…)
田島の目をジッと見つめながら攻撃パターンを見抜こうとするも、
ーーキュッ!
その後ろでびっちりと着かれたディフェンスから未茉はフェイントをいれて惑わすと、マークマンが足を滑らすと振り抜き走った。
「ちょっ…!?白石のマーク!!」
フリーにさせてしまう脅威につい意識が離れてしまうと、もちろん田島は未茉へパスを送り、
「おーらよっ!!!」
高い位置で千葉のセンターの選手の長い手がゴールを阻むも、シュートを放つフェイクをした未茉は空中でボールを持ったまま大きく円を描き、相手を交わしポンッと簡単に放り込む。
「「すげぇっ!!」」
ベンチ達も男子達も技ありシュートに目を丸くして驚いている。
「早く戻れ!!!!」
余韻に浸る間もなく監督は大声で手を振りながら指示を出すが、
「!!」
アウトサイドから菅原が後ろへとジャンプしながらゴールへ放りこんだ。



