TIPOFF!! #LOVE AUTUMN





「開始五分経って2-3かよ…。」

互いのいいところを封じ込めてはいるもの出だしの悪さに健はスコアボードを見ながら息を飲んだ。

(しかし、落ち着かねぇな。前園の代わりが。)


「都賀、行くぞ」
「はいっ!!」
田島、石井、静香、未茉は固定されてるも、五人目の選手はころころと交代させられる。

(大成のメンバーに未茉一人入っただけだが、中々フィットしずらいのか…。)
攻撃面のミスも多く、連携のとれていない女子にため息が溢れる。

スピードの鬼と唱われる東京女子が全く機能されないくらいの千葉のディフェンスに、両者一点も許さない白熱した一進一退の攻防が続き、1Qを1分残し東京がタイムアウトを取った。

「…はぁあの女…」
(ちぃせぇくせになんっつードリブルだよ。)
隣のベンチの菅原睨みをきかしながら荒々しい態度で田島がベンチに腰を降ろす。

「体力勝負だ。菅原を自由にやらせないことで千葉の均衡は崩れてる。ナイスだ田島。」
神崎にファイトを誉められるも、自分のリズムを取り戻せない彼女には耳に入らず苛立ちが募っていた。

「はぁはぁ…」
そしてセンターの石井と静香も肩が上がっていた。
千葉のゴール下での猛攻を体を張って必死に押さえるものの、点に結び付かないターンオーバーの多さに苦しんでいた。


「未茉さんカッコいいっ!!」
目をハートにして拍手を送るオギタクに、
「まだまだ。彼女はこれからだよ。それに…」
隣で神様・小倉記者も練習試合とは思えない白熱した試合に頷くも、
「やはり、前園君の力が欲しいな…」


「ユリ、お前出ねーの?」

一人まだ余裕の残る未茉が水筒を飲み干し、尋ねた。
「は!?だから私は…」
突然何を言い出すのかとユリは困惑ぎみに言うも、

「お前がいたら1Qで20点は入ってたぜ。」

タオルを投げ捨てながら言い放つと未茉はコートに戻っていった。
「…!」
驚くユリは口をつぐむ。
「……」
それを聞いていた田島と神崎も頷いていた。