「白石未茉。今日こそは中学時代の借りと湊翔真君を返してもらうわよ。」
ふふふっと嬉しそうにコートに立つ菅原が先陣をきって未茉を出迎えると、

「白石さん!頑張って!」
コートの外から聞こえてくる早乙女の声に振り向き、
「おー!さんきゅー!」
と笑って手を振ると、
「白石さーん!しっかり!!」
続いては、王子の成瀬が照れながらも赤ら顔で声をかけ、

「未茉さぁぁあーん!!ファイトぉお!!ベンチでルリちゃんが見てますよぉおー!!」
周囲の視線なとお構いなしに身を乗り出して応援するオギタクに・・・

「ちょっとぉおっなんなのよあの子ぉお!!荻山君にあんな声かけられてぇ!!」
観客席では嫉妬に狂った女の子達から睨みを飛ばされるも、
「てかルリちゃんって誰・・・」


「未茉、静香ちゃん頑張れ。」

またもやコート外から聞こえるスター兄弟の匠の声に

「匠兄っ!任しといて!」
ガッツポーズして答えると、ドンッ!!と静香は未茉を跳ね飛ばして、
「やっぱうちのこと忘れられんのやなぁ~匠さんはぁ~。しゃぁないなぁうちの中ではもう終わった恋やけどそんな言うならもう一度考えてあげなくもあらへんでぇ~~~」
体をくねらせながら自分の妄想に浸ってしまってる静香に

「静香っ!!てめぇいてぇだろっ!!!」
尻餅つきながら未茉がわめいていると、

「未茉ちゃん。ほら。」

やってきた翔真が未茉に手を差し出すと、
「おーわりぃ。」
その手に手を伸ばそうとすると、

ーーグイッ!と横取りするかのように未茉の手を奪うように引っ張り健は微笑む。

「未茉、勝てよ。」

あえて翔真の横から健がニッと声をかけ意地悪な顔で舌を出すと、
「・・・・たーけーるーさん」
いらっとする翔真が彼を呼ぶも「クックッ」と満足そうに行ってしまった。