「いや、お前じゃ永遠に決めかねないだろうから俺らで決めてやる。な?湊。」

「あ!?」
健の言葉に固まる未茉。

「はい。すぐにふらつきそうだから俺らで決めた方が恨みっこなしでいいっすね。」

「おいっ!!こらぁあなんだよそれはよー!!!それに、お前らを選ぶとは限んねぇからなっ!!」
「ん?あんだよ。俺ら以外にもまだいんのか。気の多い女だぜ。」
意地悪な反面で二人は少しホッとしたように、どこか焦る気持ちの中でも互いへの苛立ちが不思議と少しだけ解消されていた。


「ん・・・あっっ!!!」
その言葉にはたっ!!と未茉はとあることを思い出し、
「っておいっ!どこ行くんだよ未茉!」
「すぐ戻る!!」
ダッシュで体育館を飛び出していった。


「続きはやっぱウィンターカップか。」
やれやれと気が抜けた健に、
「え・・それまでこの状態ですか。」
普通にそれは嫌だとひきつる翔真。

「・・だよな。」

勝負は先送りすることにしたものの、二人のモヤモヤは続くのであった。