「お互いの存在が苛立つからうっぷんを晴らすためにバスケで勝負してるんだよ。」
「はぁぁあっ!!?」
まさかそんな意味のある1対1だとは知らず未茉は、駿からボールを奪い取り、
「あっ、おいっ未茉!」
二人のいるコートに走ってくと未茉はプレーを邪魔するかのようにボールを投げつけた。


ーービシッ!!!

「ぶっねっ!」
健と翔真の間に投げ込まれたボールを避けると、

「何を勝手なことしてんだよ!!」

怒りの沸点に達した未茉が足音をたてながらコートに入ってく。
「入ってくんな。」
一度プレーを止める健がそう睨みながら言い放つ。

たった数分なのに二人の激しい息切れに一瞬驚くも、
「あたしのことを勝手に勝負されたら迷惑なんだよっ!!!」

「だってお前がいつまでたってもハッキリしねーからよ。なぁ?湊。」
「はい。」
なんとなく相づちをうってしまうと、
「とにかくやめろ!!!」
二人の胸を押し引き離しながら、


「あたしの男はあたしが決める。お前らが決めんじゃねーよ。」

「「……」」
まだまだ接戦を見たかった反面、未茉のその堂々たる言葉にギャラリー達は静まり返る。

「やるなぁ…未茉。ぷっ!」
高みの見物かのように駿は涼しい顔で見ていると、
「未茉はカッコいいの。その辺の男より全然。」

「・・・その辺・・」

冷めた莉穂の言葉に明らかに自分が当てはまる二階堂駿であった・・・・