「・・え。何まさか。白石を競って1on1するんじゃないんでしょーね・・・?」

ちょうどやってきた大成女子の田島がまさかのクソどうでもいい展開に顔をひきつらせて体育館に入ってきた。

「そのまさかですわ。」
なんでアイツばっかり・・・と苛立ちながら静香も目を細めて呆れながら答えると、
「へぇー。でも私興味あるかも。全国ナンバーワンの健さんに東京ナンバーワンルーキーがどこまで食らいつけるか。」
石井がそう言うと大成の男子や女子、矢野や前原も興味深げに視線を送った。


「湊、時間ねーからやるぞ。」

健がコートから呼ぶと
「…はい。」
返事をすると未茉の目を何か言いたげにジッと見つめ、
「どっち応援するの?」

「は?」
「は・・・って。」
ぽかんとする彼女につられてぽかんとする翔真は、
「あははっ。まぁ、いいや。」
呑気に笑いながらコートに戻ってく。

「???」

目の前のコートでは健と翔真が緊迫した表情で何やら二人で話してボールをついてる。


「あっ、田島さーん、石井さんおはよーっす!」
二人に気づき未茉がぶんぶん大きく両手を振ると、
「あっ、矢野さん前原さんもー!!」

「ついで挨拶すんな。」とキレられて、

「呑気なもんねあんたは。」
田島達からは冷めた視線を突き刺さされ、
「そうそう。なんであんたばかりがモテる?」
「このペチャパイが。」
「魔性が。」

「なんで朝からみんなに苛められなきゃならないんだよぉっ!!!」
全く訳の分からない未茉をよそに目の前のコートでは、健と翔真が1on1を始めた。