「心配してくれたことを嫌な言い方したのは悪かったよ。」
「……いや。俺も」
未茉が自分も悪かったと謝ると、翔真も少しはがゆそうな横顔で言葉を選び始めた。
「未茉ちゃんから見たら彼氏でも何でもない俺にそう言われたら重いよね。苛立つかもしんない。」
「イラついたのは、彼氏とか彼氏じゃないとか別のことだぜ。」
「いきすぎないようにするよ。」
「ちげぇーよ。」
「…?」
「ちげぇーよ。そういうんじゃなくて。あー。」
(ちげー。なんかが違う。
こんなこと言いたいんじゃないじゃねぇな。)
自分の髪を掴みぐしゃぐしゃにしながら何かを言いたいのに何が言いたいのか分からず苛立っていると、
「心の中の気持ちを言葉にできねー!!」
逸るもどかしい気持ちを、行き場のない気持ちが分からなすぎて叫ぶと、
「大丈夫。」
優しく未茉の手を引っ張って頭を撫でた。
……
撫でられた手が嬉しくて、苛々していた気持ちが少し和らいだが、
「あたし…別に翔真とこんなこと話てぇんじゃねーんだよ!」
翔真の胸を叩きながら唇を噛み締めながらどうしていいのか分からないでいることを
「うん。ゆっくりでいいから。」
分かっていてくれて、眉を下げて瞳いっぱいに涙ぐむ彼女の両頬を翔真は、自分の両手で優しく持ち上げて見つめ合うと、
「翔真ぁ……」
「うん。」
未茉は何度も落ち着かせるようなその優しい声に翔真の手へ手を伸ばしてその温もりを掴まえる。



