未茉は一瞬固まるもすぐに顔をあげると、
「昨日は本当にごめん。」
もう一度、心を込めたように頭を下げる翔真の目から真っ直ぐ伝わってきたのは…、
自分への溢れる想いで、それはいつもキスした時に彼から伝わる‘愛しい’っていう温かな温度と同じだった。
欲しかった確かな想いは、唇を重ねなくても伝わったような気がした。
莉穂はそんな二人のやり取りを見た後、
「…先、行こう。」
みんなを引っ張り体育館へと二人を残し連れてく。
「なんやもっと拗れればえーのに。おもろないな。」
「完全に拗れてるじゃない。もう無理よ。」
莉穂がそう目を閉じながら言うと、
「なんや、莉穂。気をきかせて二人にしたんちゃうか。」
「二人に気?なんで?」
「せやから…」
「いつまでも健さんを忘れさせることができない、それが湊君の限界じゃない。」
「…!」
「未茉もそろそろ気づくんじゃない?」
「かっ…辛口やなぁ!莉穂最近何かあったん?」
どこか冷たく話す莉穂の態度に後ろから遅れてくる駿は、ため息交じりの横顔を見せた。
「まぁ未茉は魔性の女やねん。騙されちゃあかんな。」
そんなギクシャクとした二人の仲に気づかない静香はブツブツと文句を垂れながら体育館へ未茉達を置いて入っていった。



