「しっかしあの鬼監督きついわ~。工藤さんがよかったなぁ。」
「さすがに夫婦で東京代表監督同士はまずいんじゃん?」
「しかし前園、すごい言われてたし交代してたし大丈夫だったかな。確かうち(大成)との練習試合の時も凄い言われてましたよね?」

「でも事実じゃない。」
二人の心配を払うかのように田島は冷たく言った。
「間違ったことなんか言ってないのよ。」
「そやけどあの言いっぷりやさすがに心折れるんやないですか」
「私達は東京の代表として来てるんだから生半端な気持ちで戦ったらバカにされる。全国行けずに泣いた奴らごまんといるんだから。」

大成という東京ナンバーワンの看板を背負うプロフェッショナルな考えの田島はさすがだった。石井も静香もそれ以上何も言えなくなってると、脱衣場の方から能天気で大きな歌声が聞こえてきた。


「らんらんらぁーんっっ!!んっあっ!?」

ガラッと未茉は勢いよくシャワー室を開けると、
「うわ・・ちっせぇお風呂ぉ~~~。」
軽井沢とは比べ物にならないお風呂にがっかりしてると、
「さっさと入っちゃいなよ白石ー。時間ないよ」
ベンチに座り込んでる大成三人女子に忠告されると、

「えっそうなのっ!?あれ、ユリさん間に合うのかなー?」
「ユリがどうしたの?」
「シャワー浴びずにどっか行っちゃったみたい。なんか暗かったな。」

「未茉が湊といちゃついてるからやないかぁー?監督にも言われてメンタルやられてんやないか?」
「えっ!?そうなの!?」