次の日の日曜日の朝、国体練習試合の為、大成高校に向かう電車の中で久々に仲良し三人が揃った。


「もー。未茉ってば…。このアザだらけの顔を見た時は心臓止まるかと思ったよ。」
呆れた声を出すのは、一緒に二人の応援に向かう莉穂。

「ほんまや。最初はハロウィンかなんかの仮装か思ったで。」
そして静香。

「なんでバスケの試合行くのに仮装するんだよ!アホッ!!」
キタローが作ってくれた特大おにぎりをを頬張る未茉。

「おばさま譲りの顔が台無し。しかも電車の中で食べないの。大股も開かないの。マナーを守りなさい。」
莉穂におにぎりを取り上げられ太股を叩かれ、
「少しは恋愛に目覚めたかと思いきや…中身はなんにも変わってない。」

「ほんまや!みんなこの顔に騙されてるだけなんや!」
休日の人少ない車両をいいことに静香はどんっと足を広げてがに股で座って手持ち扇風機を浴びながら高笑いをしている。

「あ、静香あたしにも扇風機浴びさせろ!!」
「なんやねん!!人のもん横槍を入れるのはあんたの得意技やな!?」
二人で扇風機争奪戦の醜い争いが始まる・・・

「で、湊君は未茉の身に何かあったら危ないって心配してくれて怒ったけど、逆ギレしたってこと?それは謝るべきじゃない?」

「だってそんなの頼んでねーし!!っーか翔真にそんなこと求めてねーもん!!」
「湊に求めてるのはキスやって?なんて下品極まりない女なんやっ!」

「うっせぇな!一回付き合うったら健兄に気持ちが少しでもあるならダメって断られたんだよ。」
「意外と潔癖なんやな。ぽわぁ~んとしてるくせに。」
「そうなんだよ!意外と頭もかてぇしさっ!!」