なぜだか気まずい空気が残り、静まり返った教室では…

「いいかっこして、湊の奴なに考えてるんだか。」
「そーそー。白石の前では彼氏面して自分は他校の彼女とイチャついて。」

いなくなったことをいいことに作業に取りかかる男子達がつい本音を洩らした。

「ちげーよ!翔真が好きなのも白石だよっ!!」
たまらずむきになった結城がそう言い放つも、
「彼女いるのに?」
「あれは彼女じゃねーから!」
「毎日迎えに来て一緒にいんのに、彼女じゃなかったらそれはそれで最悪だな。」
「そうそう。白石も湊が好きなんだろ?でも曖昧にして気を持たしてんのは、俺らに白石回すのが面白くねーから?」

「はぁ!?んなわけねーだろ・・・。付き合わないのは白石が……」
と真実を言いかけようとするもそれはそれでまた厄介だなと口ごもる。

ガラッ…
「白石は?」
その時、調理部の文化祭作業から未茉が怪我したことを聞き、急いで教室に戻ってきた青ざめたキタローが三上に尋ねると、
「わっ!!キタローっ!!」
突然やってきて存在感を放つキタローに男達は驚くと、

「今翔真と保健室に行ってる。」
「…そうか…何を揉めている?」
室内の異様な雰囲気を察知するキタローが睨むと、濁す三上だったが、
「彼女もいながら白石に手を出すなんて虫がいいんだよ。」
男子達の言葉に…


「湊と白石の間に入れる奴なんかいない。」


「「……キタロー!!」」
突然そう言い放った結城と三上は驚いていると、キタローは男子達をギョロっと片目で睨みをいれ

「無駄な期待なんかするな。お前らがどう頑張っても湊に敵うわけないだろ。」

「なんだと……!!?」
あまりの言い方に盾をつく男子達に、
「まー、確かに。」
あははっとあいづちをうちながら椎名が笑いだした。

「白石さんに似合う似合わないは別として確かに湊君にはどう頑張ってもあんた達は敵わないでしょ。」
「「確かに」」
ぷっ!とつられて女子達が吹き出す。

「キャラ変・・・」
キタローは椎名を怪しむように睨むと
「なっ・・なによ!怖いわよ!」
サッと照れたようにそっぽを向く。