「試合終わったら行くな!」
「ぜっ…ぜひっ!!!」
キラリッと期待に目を輝かせるオギタクの肩に両手を回し抱き寄せ、


ちゅっ!


目を閉じて公園を吹き抜ける風のように優しく軽いキスを未茉はオギタクの頬にする。

「助けてくれてサンキュー!」

「・・・・・」

「あ、翔真には内緒な!?アイツここは日本とか頭の堅いことばっか言ってるしさー。」
「・・・・・」
「拓哉は5%だし特別なっ?」

一体、何が起きたのか分からず頭の中真っ白の放心状態でいると、
「っーかそろそろ帰んなきゃやべぇ!!じゃーな拓哉!!」
未茉は立ち上がり手を振り、


「ルリにするか、あたしにするかよく考えておけよー!!じゃーなっ!!」



「おい・・・・。拓哉・・・」

公園で失神をお越し倒れる拓哉にマネージャーは苦笑いを浮かべる。

「さてっと!フェルトとサインペン~♪」
すっかり夕暮れの街をスキップしながら高校に戻る自由気ままな未茉。


イタリアでは色んな女の子からほっぺにキスされまくっていて、日本ではモデルやタレント達に散々言い寄られていても皆無にも関わらず・・
「お前を虜にするあの三次元娘は凄いなぁ・・・」
公園の地べたでは、鼻血がドクドクッと流れ出すオギタクをマネージャーは覗きこみながら苦笑いを浮かべる。

「はっ・・・未茉さんはっ!!?」
夢か幻か朦朧とするオギタクは起き上がり彼女の姿を探すも、
「もー帰ったよ。」
「えっ・・・・!!!?」

「凄い子だよなぁ…ものすげぇいい子なんじゃないかと思いきや、ありゃ天然小悪魔か?」

「未茉さんは正真正銘僕のシンデレラだ・・・・僕の・・」

キス・ショックに唇の温もりが残る頬を押さえながらまたクラクラと倒れるオギタクであった。