「いっ…一体どんな男なんですかぁぁ…その未茉さんのハートを射止めた二人の男はぁぁ・・っ」
涙を垂れ流しながら虚しい質問だと分かりつつも、オギタクはまだどこかに可能性は残されていまいかと聞いてみる。

「いやーうーん。90%くらいは翔真が好きで10%くらいは初恋の兄貴にけじめがつけられねーって感じかな!」

「なるほど・・ではその5%でいいので荻山が入る隙はないですかね?」
「ぶっあははっ!特別枠か?!!」
「はいぜひっ!荻山拓哉を宜しくお願い致します!!」
「おーしょーねぇなぁ。お情けで入れといてやるかー。っーかそしたら3股じゃね?!」

「たっ確かに…!!未茉さんの3股に相応しい男でになれるよう目一杯精進致しますので宜しくお願い致します!!」

「おー、そこまでいうなら仕方ねぇな。助けて貰ったしな。あたしは律儀な女だしな。」
「律儀…はっはいっ!!あっ…!あの…未茉さん明日とかお暇ですか…?」
「ん?明日?」
「実は高校の練習試合がありまして…よかったら見に来て下さい。」

ルリちゃんぬいぐるみの背中のファスナーから入場チケットを取り出すと、

「えっ!?大成高校かよっ!!あ、そっか!お前日本では大成高校行ってるんだっけ?」

「あっはい…そうです!」
「奇遇だな!あたしも明日大成で試合だぜ!?」
「ほっ本当ですかぁ?!!!」

(やっぱり運命だぁぁあっ…出会うべきして出会う相手なんだ…やっぱり彼女が僕のシンデレラなんだぁぁあ…!!)
ハートに火がつく彼の乙女心は激しく燃え上がった。