TIPOFF!! #LOVE AUTUMN





「あんだよもう!しつけーなてめぇら!!」
膝に付いた砂を払い逃げようとする未茉に、オギタクは震えながら人相の悪い彼らに後退りをする。

「みっ未茉さん…彼らは一体…」
「ああ、大丈夫だ。あたしの後ろに隠れてろ。」

緊迫の中で完全にお役目逆の二人・・・。


「おいおい!!拓哉っ!!何してるんだよ!!」
交差点横に車を止めて、マネージャー兼運転手が慌てて出てくると、

「お前有名人だろ?!早く車に戻れよ!」
未茉はオギタクを心配し、マネージャーの方へと背中を押すと、

「俺と未茉さんの運命の再会を邪魔するなんてぇえぇ……」
だが震えていたオギタクの顔色と目付きは急変し、未茉の腕を掴もうとする男の手をオギタクは勢いよく逆方向へと捻り振り払うと、

ーーーズザぁぁぁあッ……!!!

ほんの少し力を入れただけで男の体は軽々と宙に浮き数十メートル先の地面に吹き飛ばされてしまった。「「うっ…嘘だろっ!?」」

仲間を簡単に吹っ飛ばされた男達は驚き青ざめていく。

「すっ…すげぇー!!!荻山なんちゃらっ!!!お前スーパーサイヤ人かっ!?」
あまりのカッコよさに未茉は、大興奮で拍手しながらオギタクを褒め称えると、

「いえ。私の名前は未茉さんの物語の中で生まれ、未茉さんと運命の恋に落ちる荻山拓哉です。」
実は弱々しい性格の反面、空手初段の腕前を持つオギタクは、フッとカッコつけて未茉にアピールする。