「いーな。お前は呑気で。こっちは文化祭準備とバスケ練習と家のこと諸々に追われてるっーのによ・・」
「ふふ。いーでしょ?」
「でも羨ましくわねぇーな。」

「……!!」

「バスケのない人生なんてあたしにはなんの意味もねーし。羨ましくもなんともねーやっ!」
悪気なく笑う未茉にユリは当然傷つき…

「……あ、そうだ。」

何かを思い立ったように口にした。
「ん?」
「文化祭で思い出した……」
「?」
「前に翔真から明徳の文化祭、一緒に回ろって誘われてたの。いいよって伝えといてくれる?」

「いーけど。自分で伝えれば?この後会うんだろ?」
「ううん。今日はやっぱ急用思い出したから帰る。」
「暇人なのに?」
「・・・・。つ・伝えといてよねっ!!」

「分かったよ!」
ため息つきながら未茉はチャリに股がると、
「あっ!」
立ち去ろうとしたユリを呼び止め、
「何?」
今になって焼きもち妬いたかとどや顔で期待して振り返ると、

「お前、日曜暇なら大成に来いよ!!」

「はぁっ!?」
全くもって予期せぬ誘いにユリは困惑すると、
「千葉代表と試合すんだよ!男子もやるし、翔真もくっから!!」

「い…行くわけないでしょ!?辞めたのに……」
「見に来いよ!暇人なんだろ?!」
「誰が暇人よっ!!!」
目くじらを立てて怒るユリにあははっと笑いながらチャリをこいで去ってく未茉に

「なんなのよ……」

ユリは唇を噛み締めうつ向いた。