「しょーがねーなっ結城っ!かわいそうだからうちらの仲間に入れてやっから!なっ翔真!?」

「本当にかわいそうだから仕方なくね。」
ジトッ…と恨みがましく冷たい目で翔真が結城を見る。
「結構だ・・・!!っーか彼女なんてすぐ出来るしな!!」

「別れる前提の彼女がな。」
薄情男に冷たく言う未茉に翔真は大笑いしていると、


「白石ー!!」
別班で小物を担当している三上が呼びながらやってくる。
「ん?どうした?」
「お前買い出しで黒のフェルト生地忘れた?入ってない。」

「あー!!やべっ忘れたかも!」

「じゃついでにサインペンも買ってきてくんない?足りないんだ。」
「うん!オッケー!あっ!キタローチャリンコ貸してぇー!!」
近くにいたキタローから鍵を受け取り買い出しメモを持って教室から出ていくと、

「未茉ちゃん。一人で平気?」
後ろからやってきた翔真に気づき振り向くと
「余裕だぜっ!すぐ戻るじゃーなっ!!」
すでに走りながら手を振って廊下へ消えていった。

「いやいや・・・平気だろ・・」

戻ってきた翔真に結城はひきつりながら言う。
「だって心配じゃない?」
「あの女で心配なら他の女はか弱すぎて生きていけねーだろ・・。」
「好きだから心配なの。」

「てかお前のその心配症と独占欲はぜってぇー重いから直した方がいいぜ。そのうち嫌がられるぞ。」
「ムッ・・。結城は手広く色んな子に手を出すのやめた方がいいよ。そのうち刺されるよ。」

両者ムカッ・・・としあって睨み合う二人だった。


「何言い合ってんだよ・・・」
全くもってくだらない・・とため息つく三上であった。