今日は土曜日だが午前中は文化祭の準備と午後は部活の為、高校に登校していた。

カンカンカンッ!
トンカチとネジがすっかり板のついた未茉は今日も疾走中の小屋作りに励んでいて、

「あっ?結城、お前結局彼女と別れたの?」

「そーだよ!おめぇーのおかげでなっ!」
「役に立ててよかったぜ!」
にかっと笑顔で言う未茉に、
「ちげぇーだろっ!!!おめぇのせいで別れたんだよっ!!」
「はっ・・・?なぜ?」

「いーよっ!もーめんどくせぇから!!」
説明するのも思い出すのもめんどくさかった結城はそれ以上言わなかったが、

「もーすぐ文化祭だしなぁ、一人で回んの寂しいからそれまでに彼女ほしーなぁ。別れなきゃよかったかな。」

「結城、それ最低。」
たまらず翔真も横から口を挟むと、
「だってよー。男一人で回るの寂しいだろーが!」
「ん?男一人が寂しいのか?だったらあたしが一緒に回ってやるよ!」
「お前は翔真と回れっ!!!」
優しさで言ってやったのにありがた迷惑だったようだ。

「回りたいけど、未茉ちゃんと俺、空き時間が全く合わないんだよな…」
疾走中の当番表とバスケの当番表を見ながら残念そうに呟く。

「あ?翔真、そんなにあたしと回りたいわけ?」
「そりゃ好きな子と回りたいよ。」

「やめとけ翔真。ぜってぇー白石の行きたいとこに散々振り回されて終わるぜ?」
この女の自己中っぷりが目に見えてると結城が忠告しながら呟くも、
「それでいいよ。」
と幸せそうに笑うユアペースな翔真に結城は呆れ果てる。