TIPOFF!! #LOVE AUTUMN





9月とはいえ、夜になれば気温が下がるので早々にみんなで病室へ戻ろうとした時、

「姉ちゃん、このまま一ヶ所だけ行きたいとこあんだけど連れてってくんない?」

「いいぜ。」
「よくねぇだろ!白石!絶対安静にしなきゃいけねー弟を連れ回したりして悪化したらどうすんだよ!?」
安易にオッケーを出す未茉に結城のストップがかかるも、
「どこ行きたいの?」
一先ず気持ちを汲み取った翔真が屈みながら尋ねた。

「リハビリステーション。本当はさっき一人で行って確かめようかと思ったんだけど。」


「「「「リハビリステーション??」」」」

なぜそんなとこに行きたいのか確かめたいことがあるのか三人は声を揃えて聞き返した。

東京最大規模の広さと設備を誇るリハビリステーションに五人がやってくると、
「わぁっ……すげー広れぇーな……!」
「トップアスリートも来るくらいだもんな。この病院。」
壁が見えないくらいの広さに器具が立ち並ぶ設備にみんなため息混じりに圧倒している。

「あー。自分もここでリハビリするから気になったのか。」
未茉がなるほどね。と頷くと、
「・・・ちげーよ。やっぱ姉ちゃん気づいてねぇーのかよ。」
「ん?あ??」
呆れる和希の言葉にすぐにピンッと来た翔真はリハビリ室を隈無く視線で探し、


「あ……いた。健さん。」


一番奥の器具でトレーナー立ち会いのもと腕を曲げながらリハビリしている姿を発見し、
「「星河兄!?」」
結城と三上が驚き、和希は「やっぱり……」と確信をすると

「は?健兄がなんでここにーー」
見間違いじゃねーのかとリハビリ室を覗きこむと、
「!」
そこには確かに汗をかきながらストイックにリハビリに打ち込む健の姿があった。