「♪♪あ~~~」
昼間たくさん寝て日曜の試合のことを考えると上機嫌になり歌いながら大きくスキップして和希の病室へ向かう未茉。
「院内はお静かにッ!!!」
当然ながらすれ違ったベテランだと思われる看護師に怒られ、
「はぁーい。えへへ。」
と舌を出してナースステーションを横切ると、
「かっこいいわよねぇ~~~年下高校生なのにあの美少年はズルイッ!!」
「早く治したいからって毎日あんなにハードなリハビリして健気な姿がまた母性を擽られると言うかぁ~~!!」
ナース達が頬を赤らめ体をくねらせながら騒いでる姿を未茉は横目で見て、
「どこにでも相沢さん達みてぇのがいるんだなぁ・・・」
と呟きながら病室へと急ぐ。
「御姉様のおなぁーりぃー!!!」
勢いよく和樹の病室へと辿り着き扉を開けると、
「うぁっ!!!」
「ん?」
和希の妙に焦った声が聞こえると思ったら、
ーーガチャッガタンッ!!!
大きな音と共に和希が床へと崩れ落ちていた。
「痛ッてぇ・・・」
和希は足を押さえながら、蹲っていた。