「・・・なんでお前はそんなに不器用かな・・・。」
保健室では結城の指にぐるぐるに巻く包帯が未茉の手にかかれば、いびつな状態に仕上がってるのは言うまでもない。
「えーなんでぇー?いい感じじゃない?」
「どこがだっ!!もーいいっ!!湿布だけで!!!」
包帯を取り投げつける結城に
「おああっ!!!人がせっかく・・・・!!!!」
♪♪♪……
「ん。電話だ。」
ポッケから鳴り響くスマホに文句たらたらの結城は着信画面を見るも、嫌な顔をしてる。
「なんだよその顔は。」
「・・彼女だよ。きっとまたヒスってる」
ため息ついて電話に出ると、
「もしも……」
『今出るか迷ったでしょ?もーなんなのよ』
スマホからも漏れてくるヒステリーな女の声に
「お前・・相当なビッチな女と付き合ってんな・・・。」
「あ、バカッお前!!」
スマホ越しで余計なことを言う未茉に結城は睨みながらも慌てる。
『はぁっ!?何今の!?誰といんのよ!?』
「ク・・クラスの子だよ」
『何どもってんのよ!!怪しすぎっ!!』
「怪しくなんか・・・」
「あ!?白石ー!?あんたこんなとこで何やってんだよ!!早く練習来いよ!!」
そこへ湿布を取りに保健室に来た矢野が睨んでいる。
「あっ!矢野さぁーん!聞いて~バカ結城が~」
と笑いながら保健室を出ていった。
『ちょっと今の誰ッ!?』
(あの野郎ぉ・・・。)
スマホからはぶちギレられる彼女の耳障りな声を聞きながら睨む結城であった・・・



