「なんか最近、翔真変じゃない?」

放課後、文化祭の疾走中の小屋を作りながら三上はふと結城に聞いた。

「ん?そーか?わかんねーけど。」
「少し前から気になってたんだけどなんか白石に対して一線置いてるていうか…」
「ねーよ!それ。さっきだって二人でサボってたしこの前も体育館裏でイチャッてたしよー。」

「いやそういうんじゃなくて……」
「むしろずっと白石にイラついてたけどアイツもアイツで相当しっかり翔真に惚れてんだなって分かって安心したけどな。」

「え・・・今更?」
苦笑いする三上はなんで結城が女とうまくいかない理由が分かるような気がしたのであった。


「ようやく終わったぁ~~。」

そこへ呑気に補習から未茉があくびをしながら戻ってきた。
「あれ?翔真はー?」
見渡すも姿が見えない。
「お前の代わりに実行委員のミーティング出てんだよ!っとに優しすぎだろっ。」
「あ、ほんと?ラッキー!」
あっけらかんに笑う未茉に二人は突っ込むのも面倒な程の呆れ顔になる。


「なー。翔真と言えばさー、最近あたしとキスしてくんねーの。なんで?」

「「あぁっ!!?」」
突拍子もない未茉の発言に居残りしていたクラス中のみんなが振り向く。

ザワッ・・・・
「いってぇー!!!トンカチでぶつけちまったじゃねーかっ!俺の黄金の右手を!!!」
驚きのあまり結城はトンカチで人差し指をぶつけてしまった。