「…だめだ…ねみー。」
昼休みチアの練習から教室に戻った未茉はパンをかじりながら眠気に襲われうたた寝を始める。

「食いながら寝んなよ・・・」
隣で呆れる結城に起こされるも、
「次の授業なにー?」
「世界史。あのセンコーじゃ居眠りできねーぞ。」
「ダメだ…。次の授業をサボって寝てくるわ。」
若干頭痛もする未茉は立ち上がってフラフラと教室を出ていく。
「あれ。どこ行くの?」
ちょうど入れ違いに入ってきた翔真に尋ねられると、
「どっか。寝れるとこー。」
目も合わさずふらふらと歩き、‘じゃあな’と手を振る彼女の手を引き廊下へと連れ出す。

「パソコン室か!なるほど涼しくて最高!」
冷房がよく効いてる重いカーテンに囲まれた真っ暗なパソコン室だった。
「次の時間授業ないから大丈夫だよ。」
「お、いーとこだな!さんきゅー」
じゃ早速…と椅子を並べて横たわり寝ることにすると、翔真も隣の椅子に座り出すので

「帰らねーの?」
「こんなとこに未茉ちゃん置いていけないでしょ・・」
「大丈夫ふぁっ……」
すでにコクンッとしてくる彼女は無意識に隣にいる翔真の太ももに頭を乗せてお腹にをぎゅっと手を回し抱きつくように目を閉じた。

「体勢悪くない?」
「へーき……落ちつく……」
「そう?」
少し撫でるように背中を軽く叩くとそれに答えるようにぎゅっ……と未茉はきつく抱きついた。

「これじゃ帰れないね。」
静かで真っ暗な空間の中、髪を撫でられながら言われるいつもより低く落ち着く声が心地よく響く。

「……行かせねーもん。」

こうしてると眠気よりも彼に触れていたい気持ちが勝ってしまう未茉は、甘えたい、くっついていたい、そんな胸を熱くする気持ちが止まらない。