「あ、翔真!聞いてた?」
「見てた、聞いてた、朝からずっと未茉ちゃんが星河さんといちゃついてたのも。」
「え?いちゃついてた?」
さらりと言われた嫌みにも全く心当たりがなく首を傾げると、

「湊、これ普通だぜ?俺ら家ではもっと仲良しだぜ。」
面白そうに煽る健は、未茉の肩に手を回しウィンクすると、
「あ゛・・・」
「こぉらっ!翔真っ!!行くぞっ!!」
またマイクにずるずると引きづられてコートに連れてかれるのであった・・・。


「うっわー。マイクの奴、湊大好きだな。」

「健兄ー、わざわざからかうのやめろよな!!」
「からかう?例えば?」
白々しく聞き返す健に
「だーからぁ~~~」

「ああ、こんな風にとか?」

ぎゅっとみんなに見せつけるように未茉を抱き締めると、
「あっ!!?」
コートから睨む翔真・・・

「こら、健。審判に戻れ。」
そこへ現れたのは、王子学院の二年のキャプテンの成瀬だ。
「はいよ。」
「しっ…しっ…白石さっごっご無沙汰しております」
久々に会えたマドンナ未茉を前に真っ赤になりながら挨拶をするシャイボーイに、
「あー、おー!!えっ、誰だっけ?」

ずこっ・・・とショックを受ける成瀬に、
「あ、白石さん、試合一緒に見ようよ。」
そんな二人の間を割って入り連れ去る早乙女。
「おーいーよ。」

「・・・。」
二人が肩を並べて座る姿を見てあっちこっちから沸いて出る敵がいることを思い知り生きた心地のしない翔真は、
「こぉら!翔真ぁぁあっ走れっ!!」
背後からは監視官・マイクにムチを打たれ、

(早くこの合宿終わればいい・・・)
と心底願うのであった。