「俺代わるよ。」
ぽんっと未茉の肩を叩き、彼女の放課後のタイトなスケジュールを考え翔真がそう申し出た。
「しっ・・翔真ぁあーっ!!!」
目をキラッキラと輝かせて潤んだ目で見上げると、「チッ!」と椎名は面白くなさそうに舌打ちをし、睨む。
「俺がやる…」
未茉のお役に立てるならば…とキタローが白い手を挙げるも、
「北、調理部でメインで店も出すんだろ?マネージャー業もあるし大変だろ。」
それを考えていたからこそ翔真が名乗り出たのだが、
「白石の為の労働に大変などない。」
「でも・・・」
「ない。」←きっぱり。
「えっ!キタロー調理部で店出すの!?あたし応援に行くよ!!」
「キタパン★カフェ開くんだよ!今回の賞を取ったイチゴメロンパンを食べながら、普段のバスケ部の様子をキタロー★ドショーとして男子バスケ部合同のムービー流すんだよ!」
クラスの調理部の女子達が笑顔でそう言うと、
「マジかよ!?キタローすっっげぇじゃん!!ぜってぇ行くからなっ!!」
「ああ。あんな邪なインスタなどなくとも、来年のバスケ部の外部への宣伝は俺がマネージャーとして滞りなくやる。」
キラリ…と黒焦げの新米を見ながら嫌みを吐く・・・。
「よしっ。じゃーちょうどいいな!湊、結城、三上、北!お前らも役員なっ!白石をサポートしてやってくれ!」
怪我人の新米に代わり、学年主任の先生が四人を指名した。
「「えっ!!?」」
もはやくじ引き無関係に勝手に指名された二人はいいとばっちりをくらった。
「くじ引きの意味ねぇーじゃんっ!!!」
机を叩き苛立つ結城に、
「なんで俺まで・・・」
頭を抱える三上に、
(これでまた生きる喜びが増えたな…)
幸せいっぱいに深く頷き、神に感謝をするキタローであった。



