「あ~~~。もぉ~~~。疲れたぁ~~~~。」
やたらと普段は使わない体の部分が悲鳴をあげて崩れるように倒れこむ。
「でも白石さんバスケで鍛えてるせいか、体幹いいから動きが綺麗だよ!」
「うん綺麗ー!」
相沢さん達に褒められると、すぐにデレッとして
「へへ~~そぉかなぁ~~」
調子にのり悪い気がしない単純な奴・・・。

「えー、明日から放課後、催し物の小道具作ったり衣装作ります。」
「えーーっ!めんどくさっ!!」
指示する矢野に未茉は思わず本音が溢れると、
「いいか?逃げたら小道具も準備も全部のお前一人でやらすからな・・・」
胸ぐらを掴まれ睨まれ泣き叫ぶ未茉に、

「でも白石、お前は国体もあるから練習しないと。」
前原が気づいたように言うと、
「居残りもありますぅ・・・」
「それは自業自得だろ。」
涙を誘うつもりが冷たい視線を突き刺される・・。

「弟さんの入院で家事もあるんじゃ自主練もできないじゃない。」
「うーん。まぁ、近所の公園で夜自主練します。」
「別メニュー組むかな。」
前原と矢野は顔を見合わせ忙しい彼女の為になんとか調整してあげようとした矢先・・・・、


「ぐぁぁぁああああっ!!!」


次の日のホームルームで文化祭実行役員を決めようとしたくじ引きで、見事当たりを引いた未茉。
「「はいっ!大当たりぃーーー!!白石おっめでとぉーー!!」」
パチパチパチッ!!とクラス中から大拍手と歓声を送られると、

「誰だぁッ!!!このイカサマくじ引き作ったのはぁぁあっ!!!」
バコンッ!!とくじ引きBOXを投げつけると、
「あー、斎藤せんせー白石さんが備品壊しましたぁー!」
舌を出しながら椎名がそう先生に告げ口をすると、
「あの女・・・」と未茉と睨み合う。

「…うっう……」
そしてしばらくインスタに顔をあげられない程の全身丸焦げで全身包帯状態の新米斎藤は、話すこともできず教壇で寝ている・・・