「女バスがチアの練習してるらしーぜっ!!」
「マジかよ見てぇー!!!」

次の日から体育館のギャラリーはいつもより賑わいを見せていた。
噂を嗅ぎ付けた男子達がわらわらと集まって来ている。

「ワン・ツー!スリーホォー!ファイブシックスセブンエイト!」
パンパンッ!とダンス経験者の矢野の手拍子に合わせながら女子達はチアの練習を始めていた。
「んっもー!!なんだよー超難しいじゃんっ!!!」
早速輪を乱し文句を垂れボンボンを投げ捨ててその場に寝転がる未茉に

「白石ぃ~~~~!!てめぇはバスケ以外の集中力はねぇのかっ!!!」
矢野に頭を叩かれ泣き喚く未茉をギャラリーの男子達は、
「やっぱ可愛いーよなぁ。白石。」
「いやーやっぱり前原じゃねーか?」
こっそりスマホを取りだし動画を撮ろうとすると、

「撮影は禁止だ。」

むくっ!と画面いっぱいにキタローが顔を寄せて撮らせまいと阻止をする。
「「うおぉぉおっ!!!びっくりした・・・」」
「幽霊かと思ったぜ・・」
突然現れた人相の悪いキタローに男達はビックリしてスマホを落としてしまう。
「げぇっ!!俺のスマホにビビがっっ!!!」
「うわっ!!俺のスマホも…」
「俺のスマホ急に画面真っ暗で動かねぇっ!!!」

原因不明のショートに覗き見していた男子達がテンパり、
「やっぱりキタローの祟りだな!!」
「昨日一年の教室で丸焦げになった奴らいっぱいいたらしいしな!!」
「都市伝説だぁあ!呪われてるんだぁぁあっ」
「逃げろぉぉお!!」

キタローを見て真っ青になりながらギャラリーから慌ただしく消えていった・・・。