「えー??」
なんかおあずけくらったみたいでムッとする未茉に、

「大丈夫かなと思って待ってたんだけど、宿題平気だったの?」
「平気じゃないー。罰として明日から毎日一時間居残りー。」
思い出しただけでげっそりやつれるも、
「悪かったな。お前まで巻き込んでよー。」
「まぁなんとなく覚悟してたから。」
汗でベタついて気持ち悪かったのか、翔真は新しいシャツに着替えようとTシャツを脱ぎ出す。

「!!お前もすげー体だなぁ・・・。」

無駄な脂肪など一切ない板チョコのような腹筋と厚い胸板と、肩からの筋が浮き出る筋肉が露になる。
おっとりとふわふわとした翔真からは想像つかない細マッチョなギャップある体を未茉はマジマジと興味深そうに見て、

「あたしもほらっ!中々いい腕の筋してんだろっ!?」
腕捲りをして翔真の二の腕に対抗するかのように力をいれて筋肉自慢してると、

「“お前も”って、誰と比べたの?」
「へっ?」
「誰かと比べたような言い方したから。」
「比べた??」
とっさに出た自分の言葉に首を傾げてると、

「健さんと比べられたかと思った。」

「!!!」
テイシャツを着ながら言われた翔真の言葉にようやくその意味に気づき、
「あ~~~まぁ・・・そうのような~~~そうじゃないようなぁ~~~~。」
明らかにうろたえる不自然な未茉に、
「ふーん。ふーーん。」
目を細くして上からジトッと見下ろされる視線に、
「あっははははっ……」
と目を反らしお得意の誤魔化すような笑い声に、
「ふーーん。」
冷たい視線に笑顔も凍りつく未茉は、

「あ、殿!お荷物お持ちするでござる!!」
「結構でござる。」