「ははっ。汗かいてやがる。」

冷房を切られた中で寝てるからかおでこにかいた汗を手で軽く撫でるように拭う。
「へへっ。」
見てて飽きない寝顔に肘をつきながらずっと見ていたくなった。

(愛しい……というか、可愛いいというか。)

胸のずっと奥の方から湧いて溢れるようなそんな気持ちに未茉は、下を向くとさらっと流れる自分の髪を耳にかけて、目を閉じ翔真の唇に近づけてくと、

パチッ!と翔真は目を覚まし、視界いっぱいの未茉のキス顔に驚く。
「わ。びっくりした。」
「ちぇっ。なんだ起きたか。」
残念そうに未茉は唇をとがらす。
「寝顔が可愛かったからキスしてやろーかと思って!」
無邪気に笑いながら言う彼女に、

「そっか。そりゃ残念だ」
翔真はふっと笑いながら立ち上がると、

「じゃーする?」

未茉は彼のシャツを引っ張り、つま先立ちして顔を見上げ待つように誘うも、

「したいけど、斎藤先生みたいになりたくないからやめとく。」

飛び付く犬をなだめるようにぽんぽんっと頭を撫で笑顔で交わした。