***昨日、回想。



「いいか?!部の催し物投票でナンバーワンになったら賞金が手に入る!!!」
新米の決意は固く、嫌がる女子達に熱く語り始めた。

「他の催し物だってナンバーワンになれんだろーが!!」
「こういうのにはインパクトっつーのが何より大事なんだっ!!!」

「なんでチアなんだよ・・・。」

「バスケと言ったらチアだろうっ!!!K―POP風にアレンジしてなっ♡」
(映えるぞぉ映えるぞぉおっ!!インスタ映えしてまたフォロワー数増えるぞぉおっ!!YouTubeにもアップしてYouTuberになっちゃったりしてぇえっ!!臨時収入に合コン引っ張りだこだぁあ!!)
くっーくっくっくっ!!!
しめしめとにやけ笑いが止まらない邪な新米斎藤の企みに、

「てめぇ!!ルールも知らなかった奴が偉そうな口叩くんじゃねぇっ!!!」
飛びかかって未茉が攻撃すると、「「そうだそうだ!!」」と女子達も加勢するも・・・ 


「いいか!?よく聞けっ!!バスケで全くの無名高だった我が明徳女子バスが、この私が必死に率いて東京二位に登り詰めて恐らく来年には関東中の強豪中学から新入生が視察に来るんだぞ!?」

「だーれーが、率いてだぁあ!ふざけんな!!てめぇは必死に婚活してただけだろーがっ!!!」

「アホぉ!!!この担任様のインスタ見てみろ!!今じゃ強豪中のバスケ部の生徒達も明徳に入学しますっ!!っていうコメントの嵐だぞぉ!?」

「・・・・」
ギョロリとキタローは大きな片目を光らせて、手にしたスマホのインスタ画面を開き、

「コメントありがとう!入学にあたってぜひ、顧問の方か担任の方とお話したい…」
そのコメントを読み出すと、慌ててキタローの手からスマホを取り返す。

「きっ北!!勝手に人のスマホを…」
「おめぇの女口説きにうちらをだしにしてんじゃねぇえっ!!!」
「うわぁぁ白石ぃ顔殴るのやめてぇええっ!!」