「ベストカップル賞!?」

体育館のミーティング室で一緒にキタローが作ってくれたパンをみんなで食べながら催し物を考えるも、お喋り好きな一年女子達の話は全然違う方向へ向かった。


「私達、白石さんと湊君で投票するからね!!」

「なんで?何のために??」
「伝説があってね、明徳のベストカップル賞に選ばれるとずーっと二人は幸せになれるって伝説があるんだよー!!!」
「実際に結婚したカップルだっているんだよ!!それに賞金だって出るし!!」
「賞金っ!!?そりゃすげぇーな!!でもあたし翔真と付き合ってねぇーしなぁ。」

「大丈夫!!実際は付き合ってなくても応募オッケーなんだよ!」
「そうそうっ!いいなっと思うカップルを投票で決めるんだから!」
「へぇー!!じゃアリかもなぁ。」

「それにさ、」
相沢さんを始め、女子達が一斉に同情の眼差しで見つめられ、
「聞いたよ?」
「ん?何を」
「いーのいーの!!辛いのは分かってる!!私達もてっきり二人はラブラブ幸せだと思ってた。」
みんなに肩を抱かれ密着されポンポンっと涙目で優しく励まされるように肩を叩かれる。

「あ?なんだよなんの話だよ。」
「いーのいーの!強がらなくても。」
「そうそう。私達は白石さんの辛い片思い応援するんだから。」
「ベストカップル賞取って横暴しちゃえっ!!伝説通り幸せになっちゃえっ!!」
「私達二人にめちゃくちゃ投票するからっ!!」
「あ・・・・??」
訳の分からない未茉に、



「ってか無理ですって!!!」

前原さんの矢野さんの嫌がる声が聞こえてきて扉を開けると、
「おっ!お前らもいたかっ!」
一年女子達を見つけ、新米斎藤は嫌がる二年女子を引き連れてこっちへやって来る。

「なんだ?」

「ぷっはーーっはっはっはっ!!」
仁王立ちになってこっちを見ながら妙な笑いを浮かべる新米斎藤に、
「な・・なんだあの妙な笑い方は!!ついに頭狂ったか!?」
新米に頭をどっつかれると、
「いっ・・てぇー!」
気を取り直したようにコホンッ!と咳払いをし腕組みしながらキラリっと目を輝かせながら、

「フッフフ……。女子バスケ部の文化祭での催し物はチアガールに決定だっっ!!」


「はあっ!?」