「かわいーなぁー。」
そのオアシスのような笑顔に翔真は、のんびりと見とれてると、マイクからのボールが頭めがけて飛んできて
「痛い・・・」
「へえ・・湊君、女見てデレる余裕があったとはなぁ?」
「ないです。ないです。」
「俺から後50本取ってみろ!」
「鬼・・・。」
「ナイシューッ!!白石っ!!」
その後も絶好調に未茉は点を決めてった。
(こんなに高さのあるセンターが味方って初めてだ。石井さんや静香がいるっていうだけで安心してシュートもガンガン放り込める。楽だな。)
強豪高相手でも全く疲れ知らずな未茉は思いっきり試合を楽しんでると、
「ユリっ!!!お前は生きてんのかよ!!お前がいつも流れ悪くしてんだよ!!!わかんねーのかよ!?」
圧勝してるのにも関わらず監督からはユリに対しての今までで一番の激しい罵声が飛んだ。
「はい…」
「お前はメンバーじゃねーのかっ!!何しにきた!!?いらねーよっ!交代だ!」
「……!!」
容赦のない罵りにコート内は時間が止まったかのようにみんな足を止めた。
「ずいぶん前園にキツいね…神崎さん。」
「教え子だからじゃん?」
「前園ってまだバスケ初めて数年だっけか。」
女子のヒソヒソ話に顎に手をやり健が思わず考えた。
(まだ力の30%も出せてないのに田島といい、未茉といい、石井といい、10年以上全国レベルでバスケしかやってこなかった奴と比べたら中学デビューの前園の甘さが浮き彫りになるのはいたしかない。
個々のポテンシャルが高すぎる。エースとして活躍できた桜蘭とはそりゃ比にならないチームだぜ。この東京女子は。)
審判の健はそう冷静に分析するも、寄せ集めチームのありがちなパターンに陥るのを見ていた。



