「あんのやろぉ~~~。」

未茉はイラつきながら日直の仕事をこなしていると、休み時間遊びに行こうとする結城が尋ねてくる。
「あれ?お前今日日直だっけ?」
「ちげーよ!バカ翔真に押しつけられたんだよ!!!」
バシバシッ!と黒板消しをベランダで力一杯叩いてると、校庭では翔真が男子達とサッカーしている姿が見えた。

「未茉ちゃーん!」
こっちに気づくとにこにこと嬉しそうに手を振っている。
「ばぁーかっ!!!負けろッ!!」
と舌出して文句を言ってる側から豪快に左足を振り抜きシュートを決め、
「応援ありがとっ!」
薬指にキスして未茉に向けて高々と掲げてくる。

「サッカー選手かアイツは・・そしてあたしは奥さんかっつーの。」
キラキラした笑顔で友達とガッツポーズしてる姿に呆れてると、

「白石ー。」
後ろからクラスメイトに呼ばれて振り返ると、
「ん?」


「おい。湊っ湊っー!!!」
余礼が鳴り校庭から引き上げてるとバタバタッと慌ただしくクラスメイトが走って昇降口にいる翔真を呼びに来ている。
「どうしたの?」
「どうしたのじゃねーよっ!!相変わらず呑気だなぁお前っ!新学期早々白石コクられてるぜ!」
「どこで!?」
靴を下駄箱に投げ入れて速攻走りり出す翔真に
「廊下っ!」