TIPOFF!! #LOVE AUTUMN




「いっ……!!」

バラのトゲがかすった神崎は思わず手を押さえると、
「か…和希っ!!!何してんの!!?」
「何してんのは、こっちの台詞だぜ!!なんで母ちゃんこんな女を病室に入れんだ!!?」
怒りで息を荒げながら和希は真っ直ぐに彼女を睨んだ。

「……」
そこまでの怒りの矛先を向けられる理由が分からない神崎は呆然とするも、

「お兄ちゃんと神崎さんは関係ないじゃない…。せっかくわざわざ一人で会いに来てくださったのに」
「兄貴に何言われて媚び売りに来たのかしんねーけど、二度とここには来んな!!!二度と俺の前に姿見せんな!!!」
「和希!!」
「母ちゃんは兄ちゃんのせいで姉ちゃんや俺がどんな思いしたのか分かってねーのかよ!?」

「………」
とてもただ事とは思えない痛切な感情に声を荒げるその様子に神崎はただただ呆然と立ち尽くしていた。

「とにかく出てけっ!!顔も見たくねーし!!存在も抹消して……いッ……!」
つい興奮して体を揺らしてしまうと足に響き痛み出すと
「大丈夫!?」
とっさに神崎は近寄ると、
「来んなっ!!出てけっ!!消え失せろっ!!!」
睨みながら枕を投げつけ、激しく痛みだす足を押さえる。

「和希!?」
ママも駆け寄り、ナースコールを押し
「綾乃さん…本当にごめんなさい。今日は……」
「いえ。こちらこそ……突然申し訳ありませんでした。」
深々と頭を下げて病室から出ていった。

亀裂があるとは分かっていたが、まさかここまでのものとは知らず神崎も震えが止まらず動揺を隠せなかった。