「うわっ!うめぇーお好み焼き!!」
「だろっ?!翔真ママが作ったんだ!」

病室に着くと腫れと痛みが点滴と薬で治まり少し笑顔の戻る和希にお好み焼きを食べさせた。
「見た目ぐちゃぐちゃだから期待してなかったけどうめーわ!」
「あ?この贅沢者めっ!!」
振り回して来たからぐちゃぐちゃになってしまったとは気づかない和希は未茉に頭をゴンッ!と殴られた。

「あっ!そろそろ瑞希帰ってくるから帰るぜ!お好み焼き食べさせてやんねーと!」
「おー!さんきゅーな。湊に宜しく!」
「ん?なんで翔真?」
「あ・・・いや、ほら。お好み焼きだっ!」
「ああ。」
「ほら早くしねーと瑞希待ってるぜ!」
「おー!やべぇやべぇっ!」
時計を見て洗濯物をまとめてさっさと病室を後にする姉を見送り、

「ふう。あぶねー。」

ため息をついてると、
トントンっと病室の扉はノックされ、
「はーい。どーぞー」
和希は横になったまま返事すると、しばらくたっても誰も入ってこないので

「?間違いか?」
気にも止めずお好み焼きを頬張ってると、
……コンコン……
今度は弱々しくノックが部屋に響いた。


「だから誰ッ・・!!!」と言いかけて和希はハッとした。
(も・・・もしや病院に住み着くお化けかっ!!!)
急に青ざめてブルッと身震いし息を飲み枕を掴むと

ガラッ……
引き戸を弱々しく開ける音と共に、
「こ……こんにちは。」
そこには見知らぬ20代の大人の色気漂う綺麗な女性が花束を持って立っていて、
「・・・」
和希は瞼をゴシゴシと擦りながらジーっと彼女を見つめ、
「エロ本の袋とじばっか開けてっから幻覚見てんのか俺。」