「健、審判お願い!」

インターハイからの怪我の為、別メニューをこなしていた健に神崎は笛を投げると、
「はい。」
メンバーを見て面白そうに頷き、試合開始の笛を吹くと

ーーバシッ!!と力強い音を立ててもちろん大成の不動のセンター石井がタップに競り勝つも、

「取れよっ!!ユリっ!!!」
うまく反応できなかったユリに監督のゲキが飛ぶも、敵の大成控え部員に取られてしまい、すぐに連携の取れたギブアンドゴーでまさかの最初に点を決められてしまった。

「大成の控えメンバーナメられねぇ・・・うめぇー。」

あまりにも完璧なプレーに未茉は思わず苦笑いすると、
「当たり前や!東京王者の大成やでっ!!」
「どっちの味方してんだ静香コラッ!!」
言い合いながらも、王子中の元チームメイト同士の息のあったパス&ランで軽々と点をひっくり返していく。


「あの二人相変わらず試合になると息ぴったり。」
喧嘩の絶えない二人からはまるで想像もつかないが早乙女も、中学総体でも見せた名コンビ復活に笑顔になる。
「喧嘩するほど仲いいってこのことか。」
なるほどね。と田島はドリブルで突っ込んでいきワンマン速攻で決めてしまう。

「相変わらず派手なドライブだな。」
よく知り尽くした相手とはいえ鮮やかに切り込んでくドライブをまざまざと目の前で見せつけられた未茉の負けず嫌いに火がつき、
「!」
パスカットをし、ボールをさらってく未茉に、
「は…はえーーっ!!!」

シュートコースを塞ぐディフェンスの手をフェイクで交わし、スパッとネットを揺らした。

「だから味方だろっーの。張り合うな。」
仲間でもライバルは変わらない田島が睨みながら言うと、未茉はニッと指を立てて笑った。