「前園さんは確かに凄く綺麗ですよね。俺に告白とかもったいないなぁ。」
「だからじゃない。私くらいの美人はあなたくらいの男じゃないと釣り合わないでしょ?」
「ぷっ…!あはは!いやいや前園さんは高嶺の花ですよ。俺なんかそんな。」
「お互い様よ?」
にこっと私が微笑むと、ようやく翔真は折れたように頷いた。
それからヘルプで入っていたバスケ部に本腰を入れ、翔真といる時間を増やしていった。
そして私が中三で翔真が中二になり、付き合って半年経った東京大会優勝をかけた一戦だった。
対戦相手は去年全国大会優勝を果たした名門王子中が相手だったがチームは延長戦の激闘の末、見事優勝を勝ち取ったブザーが鳴り響いた瞬間、
「「「やったぁぁぁあ!!」」」
ベンチと一体になって飛び上がり喜びに湧き、
「翔……」
私は思わず観客席の翔真に笑顔で手を振ると
「……翔真……?」
彼の視線は私を通り抜け同じコートで大声で苛立つ王子中のエースに向けられていた。
「くっそぉっ!!!」
確かにそのエースの存在感はとてつもないものがあった。
東京最強ナンバーワンと呼ばれるに相応しい実力者で私も何度も度肝を抜かれた。
「「ユリー!!」」
チームメートが飛び付く中、私はずっと翔真がそのエースに視線がいってるのに気になっていた。



