「愛知に住んでた小学校の頃に好きだった子が忘れられないって聞いてたから。」
「……それが白石だったって言ったら諦めがつきます?」
「……え」
「もし仮に愛知で出会った忘れられない女の子が白石だったら諦められますか?」
問い詰めるような三上の話に信じがたい目で見つめ返すユリはーー翔真に初めて告白をした中学時代を思い出していた。
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「すみません。前園さん。」
「昔、愛知で1on1吹っ掛けられたその女が忘れられないって?」
「……はい。」
「だってそれ以来会ってないんでしょ?よく知りもしない相手なんでしょ?」
「……はい。」
私は中二の時、学校で一番モテて一番目立つ翔真に告白をした。
簡単には靡かない。それがまたそそられた。
が、煮え切らない彼の態度のに大きなため息をついた。
「女に負かされて悔しさが忘れられない気持ちに化かしてるだけでそれは恋じゃないって。第一よく知りもしない相手じゃない。」
「うーん…そうですけど可愛かったし。」
「私も美人だって言われてるけど?」
他の女をぬけぬけと誉め称える翔真にピクッと口元をひきつらせると、
「あははっ。そうでした。」
その時、あまりにも憎めない甘い笑顔でふんわりと笑うからもっと好きになった。



