「おい白石…どこ行く」
「帰る。和希んとこも行かなきゃだしな。」
さっさと部屋を出ていく彼女に結城は
「白石!!」
呼び止め追いかけようと立ち上がると、
「…俺らも国体に出たくても選ばれなかった立場だから、正直苛立ちます。」
玄関の扉が締まる音が聞こえ、静まり返った部屋で三上が静かにそう呟いた。
「選ばれたら選ばれたで死ぬほど辛いんだろうけど、選ばれてみたいです。バスケで死ぬほど辛い思いしてみたいです。」
三上も荷物を持ち立ち上がるより先に、すでに翔真が立ち上がり玄関へと走っていった。
「あ…翔真!!?」
その後を追おうとするユリに
「…無駄ですよ。」
結城も冷たく言い放った。
「優しいからアイツ前園さんに言えないのかもしれないですけど、翔真は白石しか見えてないですよ。」
「……」
「だからこんな風に追いかけても求めても今よりももっと傷つくのは前園さ……」
「翔真はああいうエースタイプの可愛い女が好きなだけ!私の時もそうだったし!!なんとなくほら似てるから。」
「…似てないですよ。全然。」
「全く。」
二人は顔を見合わせため息を混じらせて頷き、
「別れてからだいぶ経つのに、なんで今なんですか?こんな風にうまくいきかけてる二人の間を邪魔しなくても。」
「一時的に白石にひかれてるだけでしょ。翔真は他に昔からずっと好きな人がいるって理由で私を振ったんだから。」
「え……好きな人?中学の時に?」
別れた理由が初耳の結城は少し驚いた。



