「・・・・・で?」


「はい。」
食べ終わり翔真の部屋で結城の追求に対して小さくなって正座をする未茉。

「お前は宿題を一ページもやってねぇと?」
「ははぁっ・・・その通りでござる。」

「ござるって・・・」
そのパターンを読めていた三上は苦笑いをすると、
「未茉ちゃん自分の都合の悪いときは侍になってごまかそうとするんだよ。」


「アホかぁっ!!!!お前は!!!夏休み後三日で終わるんだぞ!?」
真っ白なノートとプリントをテーブルに叩きつけながら結城はブチキレる。

「せっ・・拙者、この夏休み忙しかったでござるよっ」
縮こまりながらノートで顔をかくし大声で捲し立てる結城から身を守る。
「んな言い訳通用するかぁっ!!!人が忙しい合間を縫って進めた宿題を丸写ししようなんざあめぇんだよっ!!!」

「うわぁぁーん!!!しょうまぁぁあー!!!」
案の定、翔真に泣きつき大きな背中に隠れると、
「よしよし。早く写しちゃいな。」
「わぁーいっ!!」
嘘泣き娘はころっと笑顔に変わり両手をあげて喜ぶも、
「ぅおっいっ!!!!待てこぉら!!」
我慢ならない結城は当然突っかかる。

「お前はっ!!なんで白石にそんな甘いんだよっ!!!」
「好きだから。」
目を閉じてさらりと答える翔真に、
「わぁーい!あたしも翔真大好きー♡」
その告白にまた満足そうに微笑んでるのを見て、
「バッ・・・!!!!お前は何度この女に言いくるめられりゃ気がすむんだ!!!」

「ほんとだよ・・・ここまで来たらもう白石が悪女にしか見えないな・・。何年かしたら金とか巻き上げられそう。」
頷くも三上も呆れ果てた。

「未茉ちゃんの為なら俺何でもするけど。」

平然したその横顔はなぜか神妙な面持ちでいつものようにさらりと放った言葉なのにどこか重く響き、
「……翔真……?」
驚く二人に対して、
「白石写すのに夢中で全く聞いてないよ・・・。」
「え・・・」とずっこけるのであった。